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今の国立大学法人の事務ワーク [現状報告(私見)]

1.仕事の仕方
 国立大学法人は、もともと国立大学という国の機関であり、そこで働く職員は国家公務員でした。
 国家公務員の仕事は、主に法令等により細かく規定された手続きに従い行われています。
 細かく規定されていたため国民へのサービスが、全国何処でも同じ手続きで確実に提供できるという良い点と細かいために融通が利かないという悪い点がありました。

 大学の仕事も良くも悪くも細かくルール化されていました。
 職員は法令を勉強し、規則等の運用を熟知し、その上で適切に業務を行っていたと思います。
 国立大学は、国民の税金で運営されていましたから、不正防止にもルールはとても大切です。
 今はどうでしょうか?
 真面目に働いている者として少し気になることがあります。
 
 それはルールがルールになっているのかな?ということです。

 メールもどこかでみたビジネス文書を引用して作成したものをよく見ます。
 はっきりって意味の分からない文書が多くて困ることがありますが、送ってきた担当者に言っても悪者になるだけなので、とりあえず自分の部下には嫌われない程度に指導しています。
 行政文書が作れると非常に分かりやすくシンプルなのですが・・・・でも、法人化後に採用された職員には少し無理かもしれませんね。
 
 ルールがルールになっていない。
 これは法人化がいきなり始まったことに基因していると思います。
 国立大学法人が公表している就業規則を見てください。
 国家公務員法や給与法に書かれている文言を引用しているのが多いと思います。任命権者が判断する、任命権者が決定することができる・・・そんな表現を学長に変えて作成されていないでしょうか。
 国家公務員の給与制度は、給与法という法律です。
 法律は、国民に対して、国家公務員の給与等はこうなっていますよと分かってもらわないと成立しません。そのため法律等は、第三者が分かるような表現となっていると思います。

 では、就業規則は、誰が誰のために作成されたものでしょうか?

 そう労働者のためのルールです。
 「学長が○○することができる」等、学長の役割を記す必要はあまりないと思いますが・・。
 国立大学法人のルールは、意外とおもしろいですよ。

 一方、事務手続きについては、どうでしょうか?
 最近は、かなり簡素化されてきているようです。何故でしょうか?
 この点について検証してみましょう。


2.教員と一体
 多くの大学が、職員と教員との一体化を進めていると思います。
 と、言うより教員が運営に入っていると言った方がいいかもしれません。

 そう、えらい先生が大学の運営に加わるのです。
 どうなるか、結果として職員は口が出せなくなってしまいます。
 えらい先生ですから、一般的な感覚とは異なる発想で運営に加わってくると職員の発想では太刀打ちできません。

 どんどん運営に加わってきます。
 時には自分の研究分野ではないのにもかかわらず入ってきます。
 やりづらいし、組織運営が不安定になってきます。

 職員いじめが好きな学長なら事務組織をころころと変更することもあるでしょう。

 こうなってくると、ルールがどんどん変わってきます。
 簡素化と言う名の下に何のコンセプトも継続性も今までの経緯も関係なく手続きが変わります。
 手間がかかるのはきらいだから、簡素化は良いですよね。
 楽になりますから。でも、後のことは知りません。

 何故、この手続きが必要だったのかなどは考えないし、処理の手順やり方が変わります。
 当然、ミスも起こるでしょうが、ミスがミスとして処理されなくなってくるでしょう。
 仕事が仕事ではなく、作業に変わっているかもしれません。
 そうなってくると職員のモチベーションは上がらないでしょう。
 仕事のほとんどがルーチンですから、よけいに困ります。

 可能であれば、教員は運営には入らない方が懸命だと思います。学長も以前と同じ象徴的なものとする方が懸命だと思います。
 ただ、法人法は、学長が全責任を負う義務があると規定されていますので、難しいでしょうが・・・


3.将来への不安
 国立大学法人の未来は不安です。
 法人化前に国大協の人事制度関係の部会である学長が「法人化後は、今の職員は要らないでしょう。業務委託にすれば人件費は浮くのではないか。教員だけで運営できるのではないか。」と言ったとか言わないとか。当時の学長には、大学職員は作業員ぐらいにしか見えなかったのかもしれません。

 企業は、従業員を大切にします。
 エンジンですからね。
 大学の職員は車で言えばどの部分になるのでしょうか?

 教員と戦える職員になりたいと思っています。
 働くための知識・行動力を付けて実務家として・・・
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